ハワイ島6日目(すばる望遠鏡)

5時半起床。旅なのに、普段の平日よりも早起きである。

6時にホテルを出発して、コナまで南下。予約していた 4WD(ランドクルーザー)をピックアップする。マウナケア山頂の「すばる望遠鏡」を見に行くのに、4WD が必要だったのである。 クルマを借りたのは、Harper Car and Truck Rental という店(コナ店を利用)。予約は日本から Web と電話(予約確認のために電話が必要だったのである)で済ませていた。そして、ここはとても良いレンタカー屋さんだった。何よりクルマがきれいなのである。貸出前、貸出後にしっかりクルマをチェックしていたのが(クルマの下回りまで、鏡を使って)、きちんとした仕事を印象付けていた。

マウナケア山頂に行くのに、わざわざ別に 4WD を借りるのは3つ理由がある。1つ目の理由は、端的に物理的に 4WD が必要だということ。マウナケア山のオニヅカ ビジターセンターから上の道は、未舗装であり、4WD が必要とされる(2WD でも何とかなるかもしれないが、最悪の場合、転落のリスクがある)。

2つ目は、この Harper 以外のレンタカー会社のクルマは、オニヅカ ビジターセンターより上は、保険が適用されないという点である。何かあったら実費を支払わされる可能性がある。

3つ目は、ツアーの送迎が高額という理由である。最初は自分で危険を伴う運転をするよりも、往復のクルマを出してくれるツアーを予約しようと思ったが、調べてみたら、これがあまりに高額だったので、自分で運転していくことにしたのである。

この日借りたのはトヨタランドクルーザー。初めてランクルを運転したが、やはり素晴らしいクルマであった。高速道路も快適に運転できるし、何より悪路をものともしない頑丈さ、抜群の安心感にとても心惹かれた。日本でも人気があるのもうなずける(しかし冷静に考えて、日本でランクルの性能を活かせるほどの悪路を走ることがどれほどあるのだろうか?)。

これを見て参考にするかもしれない人のために、時間のことを書いておこう。7時にレンタカーを予約しており、手続きが終わって出発したのが7時半ごろ。標高 2,700m のオニヅカ ビジターセンター到着が 8:50 ごろ。寒さ対策として持参したダウンジャケットとダウンパンツを着込み(ハワイに行くのにダウンジャケットを持っていこうと考える人はあまりいないだろう。しかしオニヅカ ビジターセンターで星を見ることがあるのなら、コンパクトにしたダウンジャケットを持参することをお勧めする)、高山病対策として、水を飲みながら9時半ごろまでそこで高地に身体を慣らして(本来は1時間が推奨らしい)、9:30 に再び登り始める。

そこからは、Harper で教えてもらった通り、ランドクルーザーのギアを 2WD から 4WD(それも Lo のほう)に切り替える。9マイルの上り道の後、すばる望遠鏡に到着したのが10時過ぎ。10時半からの見学予約に、少し余裕をもって到着できた。なお、すばる望遠鏡の見学予約は、オフィシャル サイトから自分で行える。早めに予約しておくことをお勧めする。

そこは初めて経験する(そして今後二度と経験しないかもしれない)標高 4,200m の世界である。まず植物が見当たらない。雲が眼下に見える。風が強く、寒い(ニット帽、ダウンジャケット、ダウンパンツでちょうどよい)。でも日射しは強い(強力かつ有害な紫外線を浴びている感じがする)。望遠鏡の施設がポツポツとあり、まるで昔テレビで見た宇宙基地や(そんなものがあるとして)、はたまた月の表面のような様相を呈している。 DSC_4975

そしてすぐに高山病との戦いが始まる。最初は何ということもないが、徐々に血液中の酸素が薄くなり、様々な障害が出始める。まず頭が痛くなる。そして体がだるくなる。少し斜面を上っただけで苦しい。なぜか腰も痛くなる。眠くもなる。ここの酸素濃度は通常の40%しかないそうだ。 そして予約していた時間になり、建物の内部からドアが開いて、すばる望遠鏡の施設内の見学が始まる。

見学は日本人女性が案内してくださった(この時間の見学者は我々だけだった)。全部は思い出すことができないが、様々なことを伺った。最大で129億年前の光を捕えることが出来ること(なお、この宇宙が生まれたのは約138億年前と言われている)、レンズを構成する直径 8m 以上ある鏡の製造には、多大な時間と労力、そして費用が掛かったこと。この光を集める「鏡」のメンテナンスを行う設備(塩酸での洗浄や真空蒸着など)も、ここ山頂の施設内にあること(3年に一度メンテナンスするらしい)。ここで働いているのは主にエンジニアとオペレーターで、昼間はエンジニアが観測に必要な作業を行い、夜にオペレーターがやってきて観測を行うこと(研究者がこの施設に来ることは、ほとんどないらしい)。オペレーター以外の人は毎日ヒロから通勤していること、観測データは光ファイバーケーブルでヒロの拠点を経由して日本の三鷹にある国立天文台に送られること、など。非常に興味深い話を聞くことが出来て大満足した。 DSC_4979

DSC_4985

DSC_4991

DSC_5013

しかし、その間にも高山病による頭痛はひどくなっており、下りの運転はなかなか辛いものだった。眠気との戦いもあった(道を踏み外して転落しなくて良かった)。オニヅカ ビジターセンターで休憩する。

少し眠り、頭痛薬を飲み、12時に開店したばかりの売店で買ったチョコレート菓子を一口食べたりして、少しずつ回復していく。 それでもまだ残る頭痛を我慢しながら、コナまで1時間強のドライブ。

Harper でレンタカーを返却して、同じモールにあるコナ マウンテン コーヒー(妻がWebで見つけて注目していた店)でコーヒー豆とチョコレート菓子を買い求める。 そして、ようやく遅めの昼食。

コナ ブリューイングでピザとビール。朝食も食べていなかったので、かなりの空腹だった。ピザ(小)を2枚と、パイナップル IPA というシーズナル ビールをグラスで1杯(クルマの運転があるので、妻は飲めず)。ピザもビールも美味しかった(少し高かったけど)。帰りにお土産(コナ ブリューイングのグッズ)も買う。 DSC_5019

DSC_5032

前回足しげく通った、Island Natural を久しぶりに訪問。一通り店内を眺めて、ショッピングバッグを買う(妻はアメリカのショッピングバッグが大好きなのである)。前回も買った帆布のバッグを追加で1つと(「前に買ったものはだいぶん古くなったので」)、新しく見つけたナイロンのバッグを買い求める。 DSC_5040

続いて Mrs. Barry's Kona Cookies でクッキー。なぜか倉庫街のようなところでひっそりと地味に営業している、でも美味しいクッキー屋さん。知る人ぞ知るという感じの店である。 Mrs. Barry's Kona Cookies

続いて Kailua Candy Company というチョコレート屋さん。ここは妻が新しく見つけた店で、上のクッキーやさんの近くにある。行ってみると、おじいさんとおばあさんがやっている、手作りチョコレートを売っている素敵なお店だった。初めてだというと、実際に手造りをしているという裏手のキッチンを紹介してくれた。味も美味しいので、これを読んでいる人がもし居たら、ぜひ機会があれば訪問してチョコレートを買い求めてほしいと思う。そして次回僕たちがハワイ島を訪れるときも店が営業していますように! Kailua Candy | Premier Hawaiian Candy DSC_5042

Mauna Lani Shops のアイスクリーム屋さんで恒例の Tropical Dreams のアイスクリームを買って食べる。先日訪問した時は冷凍庫が壊れてアイスクリームが溶けてしまったと言っていたのだが、すでに直っていて良かった。この日のセレクションはコナコーヒー味。もちろん美味しかったが、これは他の味に比べて、少し食感が軽い感じがするアイスクリームだった(僕たちは詰まった感じの食感のほうが好み)。

ホテルに戻って、夕日を見ながらプールとジャグジー。夕食は部屋でワイン、チーズ、ケトルチップス、ドリトス。 DSC_5057