松島旅行1日目

朝6時に起きて、6時半に予約していたタクシーに乗り込む。昨晩は台風で、それとの関係はよく分からないのだが、タクシーの予約を取るのに非常に苦労した。本当は6時に来て欲しかったのだが、何とか予約できたのが6時半だった。
7時15分の待ち合わせ時間に2分ほど遅れて東京駅に到着し、合流。今回のメンバーは母、妹夫妻(隊長、隊員moriyu)と我々の5人である。まずは朝食の弁当を買い求める。目当ての弁当を事前にウェブで探しておいたのだが、情報が不十分でどこで売っているのかまでは正確に知ることが出来なかったため、結局買えず。代わりに2人とも栗おこわ弁当を買う。他のメンバーはいなり寿司程度の軽い食事ですませていた。
7時45分発の新幹線に乗って仙台へ向かう。車中では座席を向かい合わせにして、色々と話す。母は四大を出ているのだが、子供の頃から大学に行くものだと思って育った、という話が聞けた。祖父にそのように育てられたとのこと。僕も小学校の頃から当然大学に行くものだと思っていた。が、父が変わった人だったので、高校に行く時になって急に「何をしに高校に行くのか?」などと言うからおかしなことになるのだ。まあ、彼は人が当然と思っている根本のところをぐらつかせるのが得意な、宗教家のような人だからな。
話が逸れたが、僕はあとは小谷野敦の話ばかりしていた。途中、車内の電光板にジャック・デリダ死去のニュースが流れるも、名前こそ知っているが何をした人か分からず、時分の知識の浅はかさを思い知る。帰って少し思い出したが「脱=構築」の人だ、という所詮そこまでしか知らないのだ。
仙台に到着し、そこから電車で松島に行く。天気は今にも雨が降りそうな曇り。松島駅にはmoriyu隊員が手配した今夜の宿「松島 一の坊」のバスが迎えに来てくれていた。まずはホテルに行って、荷物だけ預ける。出掛けると言ったら、またバスを出してくれたので、それに乗り込み瑞巌寺へ向かう。
臨済宗妙心寺派の禅寺である瑞巌寺は、古くからあったようだが、現在の姿にしたのは伊達政宗らしい。入るとすぐ背の高い杉の木立が現れる。これはなかなか迫力があった。お金を払って本堂の中を見る。お寺だが、侍が待機する部屋などがあって面白い。伊達政宗がよく来ていたためらしいが。つづいて宝物館を見て回り、瑞巌寺は終了。
次は五大堂。こちらも松島のシンボル的な建築物である。橋を渡っていくのだが、気持ちを引き締めるため透かし橋になっていて、下には海が見える。しかし、渡って近くで見るよりも、少し遠くから離れて見た方が良いと思った。
ここで待ちに待った(というのは大袈裟だが)昼食タイム! あらかじめ決めてあった「さんとり茶屋」に行く。少しだけ待って2階の座敷に通される。注文は大きく2つに分かれた。母、隊長、僕は穴子天丼。残り2名はカキフライ定食を選択。これはどちらも美味しくて正解だった。特にカキは大きくて美味しかった。
満腹になって店を後にし、遊覧船に乗る。松島 島巡り50分コース、乗る船は仁王丸である。船は結構大きいのだが、乗る人も多く1階の普通席はいっぱいになっていたので、別料金を払って2階のグリーン席に行き、何とか席を確保することが出来た。船が出るとカモメがついてくる。何をしているのかと思ったら、船の後ろの甲板でみんなが餌をやっているのである。餌といってもかっぱえびせんなのだが、これを手に持って掲げてやると、カモメが上手いこと取っていくのだ。みんな島はそっちのけで鴎の餌やりに夢中になっていた。
船は前日の台風の影響で波が残っていたため、普段とは違うコースを通ったようだ。実際、少し沖に出ると波が急に高くなって、僕も酔いそうだった。そして、肝心の島だが、確かに沢山あるけれど、そんなにきれいではないし、あまり感動するものでもなかった。天気が悪かった、というのもあるかもしれない。が、松島を見るのなら上空や山の上から見るのが良さそうである。
船着き場からホテルまで歩いて帰る。松島はそんなに見どころが多くなく、しかも集中しているので、半日弱で大体見たなぁ、という感じ。まあ、1泊2日の旅行なので丁度いい規模である。
ホテルは思ったより大きく、きれいだった。今回は5人が同じ部屋に泊まることにしたので、部屋も大きい。入ってお茶を飲んで一服して、ホテル内の散策に行く。庭にあるチャペルなどを見た後、藤田喬平ガラス美術館のショップや、おみやげ物を見て回る。
一旦部屋に戻り、露天風呂に行く。ホテルが広いため、結構歩く。露天風呂は十分に広く、そしてきれいで、とてもよかった。温泉ではないが、それは問題ではない。明朝は日の出を見に再び訪れる予定、である。
部屋に戻って、次は食事。階下に行き、名を告げたら個室に案内されたので少し驚く。席に着き、置いてある献立を見て、期待に胸を膨らませる。そして、出てくる料理はどれも美味しく、いい意味で驚いた。旅館の料理が美味しいとは。その中でも一番美味しかったのはアワビの酒蒸し、である。かなり満足して部屋に戻ったら布団が敷かれていた。
眠る前にみんなでバーに行く。カウンターに座り、僕とmoriyu隊員はビール、他の3人はコーヒーを注文。moriyu隊員と習い事などについて話す。僕が習いたいのはクルマの運転である。あとはスキー。がしかし、自分の思うまま体を動かせるほど運動神経が良くないので、スキーはそれほど上手くはならないだろう。ビールの後、コーヒーを注文して飲む。こちらも美味しかった。
部屋に戻って、いよいよ寝る。moriyu隊員は布団に入って30秒くらいで寝ていた。それを見て僕は「のび太の仲間がいる」と思った。なお、明日も天気が悪い予報だったため、初日の出を見る計画はその時点で無くなった。
みんなが眠る中、僕だけはF1日本グランプリを最後まで見る。F1のエンジンは1万9千回転くらいまで回る、とは聞いていたが、オンボードカメラの映像と同時に出るメーターを見ると本当に回っているのである。スゴイ。あと、F1はめちゃくちゃ速い。当たり前だが、普段S2000等、乗用車のビデオを見ている僕には驚きの速さ、軽さである。7速のミッションで超高回転域ばかりを使って走る。B4のセミオートマもあんなにレスポンスが良ければ楽しいだろうに。佐藤琢磨は結局4位。中嶋悟の頃は6位に入るだけで大騒ぎしていたが、佐藤の場合は4位でも不満である。贅沢になったものだ。それはともかく、F1は給油作戦という要素が入ったために、ある時点の走行順がそのまま最終結果に直結しないため、見ていて面白くなくなった、と久し振りに見て思った。まあ、僕が見ていた頃もタイヤ交換はあったけれど、もっと見た目の走行順と結果が直結していたように思う。そして、相も変わらずセナのことを思い出す。93年、イギリスはドニントンで雨の中行われたヨーロッパGP。予選4位からオープニングラップでトップに立った走りは伝説と言われているし、彼のキャリアのピークだとも言われている、そんなことを思い出す。が、実は僕は見ていないのである。DVD買わなきゃな。あと、ラウドネスの「Rock'n Roll Gypsy」は名曲である。言わずもがな、ながら。