北海道旅行1日目:旭川〜美瑛〜富良野:晴れ

5時半起床、6時半出発。思ったよりも眠くはない。7時に吉祥寺発のバスで羽田に向かう。到着は8時ごろ。余裕を見て早めに出たのだが、やはり早く着きすぎてしまった。暇なのでいつもどおりロイヤル・デリでお茶。その後、階下の書店で本を物色し、出発ロビーへ。
10時10分初のANA4731便で旭川へ。Air Doとの共同運航便であった。機上では小谷野敦「軟弱者の言い分」を読む。面白いなぁ、これ。勉強にもなるし。といっても映画監督の鈴木清順と元NHKアナウンサーの鈴木健二が兄弟であるとか、そんな類の話なのだが(もちろん、それだけではない)。
そうだ、昨日この本を買いに本屋に行く途中で何故か(本当を言うと理由は分かっているのだが、ここでは書かない)ネガティブになり、こんなことを考えていた。改めて思う、「人生は死ぬまでの暇つぶし」だと。ただ、どうせ暇をつぶすなら楽しいことも少しはしたいから、働いて必要なお金を稼いでいるのである。仕事や人生を自己実現のため、などという人がいるが(僕も就職活動の時には口走ったこともあるが)、そんなのは嘘っぱちである。少なくとも多くの人にとっては。仕事で自己実現が出来るなどという人は非常に限られている。通勤電車を見れば分かる。みんな嫌々会社に行っているのである、と。そして30分後、食事を摂りながらこの本を開くと、同じようなことが書かれていたので驚いた。曰く、「自己実現」などというが、実現すべき自己などない、というのが平凡な人間のありようである、と。曰く、仮に自分など本当に見つめなおせば、虚無が見つかるだけである、と。まったくもってその通りである。話がそれたな。旅行に戻ろう。
12時ごろ旭川空港に到着。19年ぶりの北海道である。最初にレンタカーを受け取る。車種はヴィッツ、フィット、マーチのどれかだと思っていたのだが、プラッツであった。下手に普段、高級車(とは普通の人は言わないかもしれないが、僕からすれば十分高級な車である)に乗っているのでちょいと辛いが、安さを選んだため仕方ない。ともあれ、このクルマと共に4日間北海道を旅するのである。
まずは旭川から美瑛に向かう。あっという間に着いてしまった。こんなに近いとは。北西の丘展望公園に行ってみる。残念ながら特に感心はしなかった。ここで、北海道は取締りが厳しいと聞いていたため自分のクルマから外してきたGPSレーダーを取り付ける。次はぜるぶの丘。ここは何だかよく分からない場所であった。次はそこからも見えたケンとメリーの木。昭和47年、ケンとメリーのスカイラインのCMで使われたというポプラの大木である。これはなかなか見ごたえがあった。といっても僕はケンメリのスカイラインを知らない。CMも知らないし、クルマも知らないのである。ぜひCMを見てみたいものだ(近くのペンションに入れば見られそうではあったが、止めておいた)。見てみたい、で思い出したのだが、三島由紀夫の市ヶ谷駐屯地での演説がフルで収録されているDVDはないものだろうか。いや、まったくの余談である。
今日は空が良い。天気が良くて空が青く、雲がうっすらといい感じで出ている。秋の空だなぁ。PLフィルターの効果が楽しみだ。
美瑛の丘は地形が面白い。平地ではなく、うねりがあるのだ。まあ、小さい丘が無数にある、といった感じかもしれない。そしてその丘にさまざまな植物が植えられている。それも直線で区切られているので、まるでパッチワークの如しである。
1つ残念だったのは9月の美瑛は花があまり咲いていないことだ。初夏であればさらにフォトジェニックな風景が展開されていただろう。
次はセブンスターの木に行く。昭和51年にセブンスターのCMに使用された木らしい。ここはその木よりも、周りの見晴らしが良さが印象に残った。
次はちょっと離れたところにある「赤い屋根のある丘」。ここは駐車場もなく、人がほとんどいなかったので、先日買ったばかりの三脚をデビューさせる。三脚は思ったより簡単に使うことが出来た。これも、ヨドバシで三脚使用講義を聴いたおかげである。三脚を使うと2つ良いことがあった。まず、人に頼まなくても2ショットの写真が撮れることだ。僕のカメラは一眼レフなので、いつもカメラに少し詳しそうな人を選んで頼んでいるし、そもそも頼むこと自体があまり好きではない。この苦労をしなくて済むのは大きい。次に、シャッタースピードの遅さを気にしなくて済むため、絞りを好きなだけ絞ってパンフォーカスの写真を撮ることが可能になった。これも大きい。また、暗い場所での撮影(夕方など)も問題なくなった。
「赤い屋根のある丘」では空もきれいだったので写真を撮りまくって、「千代田の丘 見晴台」に行く。ここは隣接する「ふれあい広場」にいた羊、ヤギ、馬、ハクシカが面白かった。大人の羊は黙々と草を食べているだけで鳴きもせず、人間にも基本的に無関心であった。馬も同様である。しかし、子羊は違った。人が居るとえさを持っているのではないかと近寄ってくる。そして、よく鳴く。それも本当に「メー」と鳴くのだ。最初、人が真似しているのかと思ったくらい発音が「メー」だったので驚いた。
さすがにお腹がすいたので、ガイドブックに載っていた「カフェ+クラフト PUU」という店に行ってみる。ここの駐車場もそうだが、走っている車の大半はレンタカーである。ここまで多いとは思わなかった。注文したのはオーブンカレーとポテトピザ。両方ともなかなか美味しかった。少し急いでいたため、食べたらすぐに出発。
ここからは僕が運転。目指すは十勝岳 望岳台である。旭川到着当初から噴煙が見えていて、気になっていた活火山だ。途中、キタキツネが路肩に居たので、クルマを停めて写真を撮る。人にはかなり慣れていたけれど。
十勝岳 望岳台でも三脚を設置して写真を撮りまくる。日が沈みそうだったので、それを待って夕日の写真を撮ることに。空は思っていたより染まらなかったけれど、それでもいい夕焼けだった。しかし、その頃にはすっかり気温が下がり、手が軽くかじかむくらいだった。
さて、今日の活動は終わりだ。ホテルに向かう。北海道の道は驚くほど直線が長い。これでは事故が多いのも頷ける。新富良野プリンスホテルに到着し、軽くお茶。ホテル内のコンビニで買ったお茶漬けで夕食。明日は天気が良いが、明後日以降は雨か曇りの予報であるため、旅の計画を練り直す。